まくり屋よっちゃんの株日記

株式投資や人生の雑感を記します。

理解できる銘柄なんて殆ど存在しない

ビジネスモデルの分析などをして「ふむふむ、この企業の利益モデルは○○モデルだな」
と頭でわかったつもりになることは容易である。しかし、わかったつもりになっているだけで本当にその企業を理解していることはまずないだろう。


たとえば上場企業の中で10年以上働いている人が自分の会社のビジネスのことを総体的に理解しているだろうか。中の人が投資対象として自社を考えることはあまりないし、己の携わる実務の範囲に習熟すれば通常はそれで十分なので、ビジネス自体を本当に理解していることは稀であろう。


では、会社四季報を読んで興味を持った会社のアニュアルレポートや有価証券報告書をちょっと読んだだけで、そのビジネスを理解できるのだろうか。バフェットくらいになるとそれだけである程度わかるのかも知れないが、普通の人はわかったつもりになるだけでまず理解できないのである。仮に「この企業の将来の成長は鉄板である」と確信するような企業があったとしても、自分がわかることは他者も周知であり、既に株価には向こう数年分の成長が織り込まれている。


数十銘柄から成るポートフォリオを組んでいる人がいるが、そういう人は恐ろしく能力の輪が広い天才投資家であるか、一つの銘柄も理解せずにリスクを分散した気になっているかのどちらかなのだろう。自分みたいな能力が低い者だと、将来の成長が鉄板だと確信できる銘柄で投資妙味があるバリュエーションになっている銘柄など、血眼になって隅から隅まで探しても掌の数も見つからないのだ。


一点勝負やそれに準じる極端に数少ない銘柄で勝負していると、「自信過剰である」とか「リスクを取りすぎている」と、自分の稼いだ金で株を買っているにもかかわらず、有難い批判を頂戴することが多いのだが、こちらから言わせてもらうと話があべこべで、よくわからない数十銘柄に投資しているほうが傲慢だし、リスクを取りすぎているのである。